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名水百選 神泉洞

山上川の北側、日当たりのよい平地の大原山裾野に位置するのが神泉洞です。

1950年当時、地元の有志7人で、水の音がする岩峰の横から穴を掘り進めたところ、思わぬ地底の洞窟に行き合ったそうです。

石灰岩の白い鍾乳洞で、洞窟内の片側には水が流れています。さかのぼってみると120mほど先に奥行き6m、幅3m、深さ5mの澄み切った淵があり、洞窟はそこで行き止まりになっていました。

村に水道ができるまで、人々はこの水をパイプで引いて飲み水にしていました。現在、洞窟の入口は崩壊のおそれがあり、中に入ることはできません。

 

洞川湧水群

洞川地区は太古の造山活動により石灰岩の地層が隆起してカルスト地形がつくられ、そこへ花崗岩質のマグマが貫入して独特の地形を形成した場所です。そこにうまれた原生の森が雨水をたくわえ、地区内のあちこちへ清冽な水を湧出させて人々に恵みを与えてきました。

近畿で一番高い場所に位置するこの地域では、古来よりそんな森や山岳が信仰の対象されてきたのです。

泉の森、神泉洞、ごろごろ水の三カ所からなる洞川湧水群は、とくに人々が親しみ、また信仰篤く大切に保全され、環境省が1985年7月に認定した日本名水百選にも選ばれています。

名水百選:洞川湧水群(環境省選定)